Q&A(金野)4 報酬は誰からどんな形でもらっていますか?

D:すみません、伸びちゃって申し訳ないんですけど、絡み方の度合いとマネタイズは、どう調整されているんですか?

金野:「言われたことをやる」に関しては、ここからここまでやっていくらですという、非常にわかりやすい形です。

D:それはフィー、手数料みたいな形ですか?

金野:そうです。

D:元手の部分の何%かけているみたいな? それか1時間いくらみたいな?

金野:ここからここまでのプロモーションを全部やりきっていくらという形です。スケジュールでいうと4月1日にティーザーを出して、30日にミュージックビデオを出して、レコ初のTOURが5月30日にあったら、4月1日から5月30日までのプロモーションをやるから、やった期間分の――。

D:見合ったタイムチャージをもらう?

永田:タイムチャージじゃないですね。たぶんDさんがおっしゃっているタイムチャージはちょっと違うイメージだと思います。そこはまだそれほどパイが大きいわけじゃないし、BtoBでレコード会社がクライアントというわけではないので、月に3万とか、5万とかがんばって捻出して下さるようなクライアントのために何ができるかという感じだよね?

金野:おっしゃる通りです。もちろん中長期的にはタイムチャージ的な考え方で手数料を算出できればと思っています。稼働したぶんだけ取れないと……。

D:お客さんはアーティストですか、事務所ですか、レーベルですか?

金野:事務所に所属していてもアーティストが主導している場合は、アーティストから貰う場合もあります。レーベルに所属しているアーティストの場合は、比較的、レーベルの方から貰うことが多いです。

D:ふーん、様々なんですね。ありがとうございました。

E:レーベルの方がGMAへお願いするのは、彼らができないことをされているっていうことですか?

金野:はい。広告のターゲティングとか――。

D:デジタルマーケティングとか、わからないですもんね。

金野:そうです。たとえば東名阪がまだ弱いから、そこのバンプ好きに平日の20時から翌3時くらいのタイミングでターゲティングして、予算は3万円、単価4円で広告打ってと――そんなことをやるレーベルの方はあまり多くないじゃないですか。そういう発想で広告打てる方はあまりいないので、そこのところをやるという感じですね。

永田:メジャーレーベルはオールインワンですけど、小さなレーベルはすごくいろいろな形があって。制作ができる、アーティストを見つけてよい作品をつくるけど、ディストリビューションはディストリビューターに任せる、プロモーションどうしよう?というレーベルもある。アメリカのレーベルは自分たちがどこを押さえるのかはっきりさせている。だからもともとプロモーション会社は外にあることが多かったりするんですね。日本はこれまでレコード会社が自社だけですべてを担ってきた、むしろ、ちょっと特異な状況なんです。映画の仕事だと、宣伝会社がいっぱいあるのと同じように、アメリカは音楽のプロモーション会社が昔からいっぱいある。そういうイメージでいいかなと。

E:はい。

永田:じゃあ、金野さん、まずはありがとうございました。

一同:(拍手)。