MUSIC SHAREの存在意義はアーティスト側に?
関口:私、ここでスタッフのようなたたずまいでいますが、毎回クルーといっしょにやっているわけではない、本当にただのゲストなんですね。だけど――。
一同:(笑)。
永田:ちょっともう1回観てみましょうか。今、ようやく分かるんじゃないかと。
本田:作詞、作曲演奏、歌、全部ひとりでやっている。写真は――。
関口:要はBBキングさんの写真に、俺がこういう顔をして合成をしてみたらこうなったという。
A:いろいろなシリーズがあるんですか?
関口:黒人バージョンもあるし、演歌もある。
本田:演歌、すごいんですよ。
池内:ドラムとか全部打ち込みだもんね?
関口:そう。いろいろ実験をしたら、あれもこれもうまく行ってこうなっちっゃた。私はTVに出演するような人間ですけど、〝TVに出ているんだから何かの番組でこれを紹介させてもらう場がありますか?〟と言ったら、ないんですよね。
一同:(笑)。
関口:いや、僕が何を言おうとしているかというと、これも結局みちよさんが気に入って、コーナーで出してもらうことになったわけです。やっている側からするとあってくれてよかったということです。この番組に会うまでは、俺みたいな人間は出る場がなかったっていうことですよ。(再び動画が流れる)
一同:(笑)。
本田:説得力が――。
関口:今、落ちたね。話がそれますけど、「ネットで何かすること=批判される」と思っていたんですね。だから〝旅番組しかしないで遊んでいて、(そのうえ)趣味で遊んでいて〟みたいな悪口が来るのかなと思ったら、 ベタ褒めされて。
〝えっ、このご時世に?〟ってびっくりしたんです。作品のクオリティも褒めてくれるんですけど〝自分のやりたいことを追求できるのがうらやましい〟という感想がものすごく多かった。なんか日本、空気変わったんじゃないかと思うくらい。ついこの間までだったら〝暇だな、金が余っているのか?〟みたいな意見が多かったのに、今は〝追求できてうらやましい〟と。
(さっきの)〝クラウドファンディングを募ったら、やりたいことができなくなるかもしれない〟というやつ。それは疑念はあるかもしれない。でも、もしかしたら縛られる方向ではなく〝あなたのやってほしいことをやってくれ〟となるかもしれないですね。昔だったら、自分のやりたいことではなくて、お客様が望むことをやる。うちの母親は元歌手ですが、「歌いたくない歌を歌わされた」とブチブチ言っていたこともあるんですよね。「いいじゃん、お母さんの素敵な個性もでているんだから、いいんだよ、これで」なんて返していましたけど。
それが音楽の世界が悪くなってしまった(要因)に見えるけど、お客さんが「やりたいことを追求したのが見たい」と言ってくれるのは、うちの母親や僕から見たら「あら、いい時代来たわ」ということになるんですよ。
「誰かやってくれねえかな」と言っていたら自分がやるしかなくなったとか、部屋でサックス吹いてもらったら追い出されたとか、計画性としてはどうなの?っていうのはあるけど、それなりにこうだっていうのはあるんでしょ?
本田:だって、番組つくったことないし、分わかんないもん。
関口:この番組はやっている本人が分からないというところがある。何かに押されている。それは「お金大変だろうに、(スタッフが)なんでこんなにいっぱい集まるんだろう?」という謎を解く鍵でもある。いろいろなものを引き寄せているのは、もちろんみちよさんですけど、みちよさんだって「こういうゲストが出る番組を観たい」と思ったのがエネルギーの元になっている。どういうゲストかといったら「アイドルじゃない」ということではなく、何かをやりきった人ですよね。別に商売的にやりきった人でもいいけど、自分のやりたいことをやりきったミュージシャン。俺なんか、仕事しないでこんなことやっていていいのかという罪悪感があったんだから。
この番組を支えているのは、自分のやりたいことをやりきっているという当人たちの幸せ、さらにそれを観たいという人のエネルギー。だからこそ、少し時代の寵児的な可能性を持って、この番組が生まれて来ている。そこでアイドルに逃げようとすると合わないし、次の大手広告代理店も合わないかもしれない――。
一同:(笑)。
本田:大丈夫。変な大人に2回くらい失敗しているから。
関口:これはスタッフじゃないから説明できるんだよね(笑)。
今ここから入って、次のステップというときに何がしたいかって言ったら、いろいろあるんだけど、まずここがひとつ。すみませんね、スタッフじゃなくてゲストが言って。あともう一個。「世界の――」ってやつあったじゃん。
これもね、それからするとまとめ直した方がいいんじゃないかな?
本田:そう?
関口:言わんとすることはいいけど、世界を目指している方が良くて、自分で満足している方が下にとらえられている。じつは、僕なんかは満足する方をやったんですね。
本田:ああ、だんだん小さくなっているけど、別に悪いからではないんですね。
関口:なるほどね。だったらこの通りです。やりきるとなんでみんなが喜ぶかというと、音楽はとくにそうですけど、人間って好みの差があるようで、本当の善し悪しみたいなところになると共通して分かるんですね。
本田:ジャンル関係ないよね。
関口:だから、そこに向かって自己満足でも追求すると大抵の人は嫌わないんですよ。仮に世界を目指さなくても自己満足でここまでやったるわ、というのは意外と評価される。だから〝いや俺目指していませんでした〟っていう人でも〝よくそこまで突っ込んでやったね〟っていうものだと世界に誇れるものになる。そういう意味で目指さなくてもいいんじゃない、っていうのはある。それは音楽(産業)が元気だった時代にはできなかった、下手すれば悪だったことですから。そこが、今では逆。これから何かを立ち上げたいというお話でも共通のキーワードかなと思います。
本田:ありがとうございます。
関口:やりきると、言語くらいけっこう簡単に乗り越えられるから。
池内:まあね。ただ字幕はつけなければいけないと思っていて。「世界に誇れる」と言いつつ字幕がないのはどういうことなんだっていう。それはずっと前から言っていて、いちおう英語のブログは立ち上げている。
本田:「世界に誇れる日本のミュージシャンを紹介する音楽番組」って言ったら、そこにセレクトされるミュージシャンは嬉しく思って出たいと思うはずだ、とも思ったの。
関口:うん……はぁ!?(笑)
池内:そういう側面もあります。
本田:ホントにちゃんと世界に向けてつくっているよ。そういうつもりでつくっている。だけどそういうこともあるよっていう。
関口:必要な情報だった、それ?
本田:ううん。いらない情報だったかも(笑)。でもそういう人をちゃんとセレクトしているつもりです。
池内:そうだね。それで、もう少し番組を理解してくれる人が増えればパイも増えるから、展開しやすくなる気もします。
本田:今月からLINE LIVEに移ったんですけど、生で視聴して下さる数が明らかに増えたんですよ。それなのに「非常に少ない」って言われて(笑)。
池内:こんなに増えたのに!って大喜びしていたのに――。
一同:(爆笑)
関口:その気持ち分かるなぁ! 俺もYouTube上げるたびにどのくらい観ているかなってチェックしている。わあ、こんなに伸びたって思うけど、(その幅は)すごい小さいんだよね。べつに100万人が観ているわけじゃない。
本田:昨日、スペースシャワーでアワードをやっていて、あれが視聴者数が2万人くらい? スペースシャワーが2万人なのに、うちらが少ないのはしょうがないじゃん。お金ないし、かけたことないんだから。
関口:俺だって死ぬ思いしてCGやったけど、1万人にやっと到達したくらいだからさ。
池内:スペースシャワーの半分じゃないですか!