良い音楽をやる人が集まる場所をつくりたい
本田:はい。『MUSIC SHARE』は、観たい音楽番組がない。今の音楽シーンは多様性に欠けるのではないか、ということで、観たい番組をつくろうと、この辺の人とかあの辺の人へ声をかけて、みんなで時間のあるときにつくりはじめたWEB音楽番組です。最初の頃は曜日も決めず、みんなが空いている時間に集まってつくっていました。
私はミュージシャンですけど、周りには――関口さんもそうですけど――情熱を持ってつくっている良いミュージシャンがたくさんいた。一方で、良い音楽を聴きたいのに何を観ればいいのかわからないという路頭に迷っている(笑)友達がいた。
私たちはお金もないですが、愛情と情熱だけはあって、みんなのそれを掛け合わせた、この真中の部分が『MUSIC SHARE』だと考えています。
永田:始められたのは2012年でしたっけ?
本田:はい。5月に始めました。じつはもともと音楽イベントをやっていたんですね。気持ちとしてはその頃からあまり変わらなくて。良い音楽をやる人が集まって楽しむような場所を、もっと身近につくれないかと――。
永田:それは2012年の5月以前に。
本田:そうです。2011年です。最初は早稲田にある小さなライブハウス「茶箱」でやったら、人が入りきらないほど集まりました。これではダメだということで、渋谷のLast Waltz、南青山のFIAT SPACE、恵比寿のBATICA……そうやって、まあ都内のライブハウスを転々としていたんですけど、場所を変えてはみたものの、いつも同じ人が集まるような状況が続いてしまって。それぞれのアーティストのファンも来るんですけど、よりたくさんの人に聴いてもらうためには、このままだとちょっとダメだと考えたあげく、これはもうWEB音楽番組だなと(笑)。
永田:イベントとしてやられていた期間ってどれくらいですか?
本田:1年くらいですね。毎月やっていました。GREAT3の白根さんとか、良いアーティストを呼んでいました。60人から100人の規模でつづけていましたが、なんか違うなと思って。本当はもっといろいろな人に聴いてもらいたいのに、ここだけで完結しているというか。そんな気持ちを持ちながらやっていて。
永田:その1年間で今の運営母体の中心になる人たちはだいたい決まった感じですか?
本田:今とは全然、違いますね。そもそもそのイベントはひとりでやっていましたから。それはまあ、そんなに大変ではなかったです。しかしWEB音楽番組となると、まずカメラマンが必要だし……。