参加者自己紹介
永田:ここらでひと通り本田さんのご説明は一巡したと思うので、お越しの皆様はたとえばどんなお立場でここへ来て下さって、そもそも今日の会にどんなことを期待くださっているのか。もうちょっとこの話を詳しく聞きたいとか、そんなことがあれば。
すみません、ちょっと順番が前後しちゃったかな。ここはいっしょにお話できる形になればいちばんいいなと思っているんですね。で、いつもは最初に「ひとり1分くらいで自己紹介してください」という乱暴なお願いをしているんですけど、それを今更させていただいたうえで、先へ進められればと思います。お願いできますか?
A:Aと申します。湯河原へよく行っていて、そこで本田さんのインスタグラムを見たのがきっかけです。
本田:あー! 私のかばんを買ってくださった方?
A:そうです。
本田:ありがとうございます。
永田:湯河原から始まったんでしたっけ?
本田:最近は忙しくてずっと東京にいますけど、去年、ほとんど湯河原にいました。
A:音楽から入ったわけではなくて、湯河原から(笑)。私も少し音楽をやります。クラシックの――。
本田:バイオリンですよね。
関口:知っている!
本田:インスタグラムでやり取りしたから知っているの! 『MUSIC SHARE』で関口さんのコーナーを知って、全部聴いてくださっている。
A:とても面白くて、関口さんのファンクラブに入っています。
関口:すみません。変な作品で――。
A:いえいえ。自分で画像をつくって、それで遊んでいました。学生のときにチャートをつくる、アメリカで言うと「CMJ」っていうのがあるんですね。本場に行って曲を聴いてチャートをつくっていたんですけど、今回『MUSIC SHARE』のことを知って、そのときの記憶がよみがえって来たので、非常に面白かったです。
本田:ありがとうございます。
B:Bと申します。ライターと編集をやっています。ルーツミュージックが好きで、さっきBBキングが出てきたんでびっくりしたんですけど、あれはなんだったんだろうと(笑)。
10代からブルース、ソウルミュージックが好きでずっと書いています。雑誌を自分でやっていたことがあって、そのときに――さきほどのお話で共感したんですけど――やっぱり日本全国を巻き込こまなきゃいけないと思ったんです。雑誌は、全国の140くらいのライブをやるお店の情報を載せていました。すばらしいミュージシャンがいっぱいいるのでその人たちを紹介してってことで、全国を結ぼうとしました。お金にならなくて、展開できなかったんですけど。
さきほどマルの三つがありましたが、リスナーがあるのがすごい素敵だなと思うんです。30~50代になると介護があったり、子育てがあったりして、音楽が好きだけど、ライブに来られない人がいる。そういう人たちにとってはじつは心の支えになっていると思うんです。
ルーツミュージックって、コレクターとか、男性中心みたいなところがあるので、そういうのが見えないですけど、亡くなったシーナ&ロケッツのシーナさんが、子供が幼いときに家で掃除機をかけながら、〝いつかあたし、歌うんだと思っていた〟というのがすごく心に残っています。そういう人がたくさんいて、そういう人たちを巻き込んで行かないと音楽って盛り上がらないと思います。どうしたらいいのか分からないですけど、いろいろな人、カルチャーを巻き込んでいきたいという野望だけはあります。
本田:おお! 素晴らしい。
C:あの、関口さんのファンです――。すみません、なんか場違いみたいで。
永田・本田:いえ、とんでもない!とんでもない!
C:『MUSIC SHARE』は毎月、楽しみに観ています。いろいろなジャンルが聴けて、こんなミュージシャンとかアーティストの方がいらっしゃるんだなというのが知れて。自分じゃ探せない人たちをみちよさんが教えてくださって、ありがたいと思っています。
本田:うれしいです。フフフ。
永田:ふだん音楽は聴かれますか?
C:聴くのは好きです。ライブハウスにたまに行って。忙しいと足を運べなくなるんですけど配信してくださると、満足できるっていうか。
永田:ありがとうございます。今日は関口さんがここに来られるというのを知っていました?
C:はい。
永田:そうなんだ。あれ、それは流していたの?
本田:最初にちょろっとTwitterに書いて。でも「来られるか分からない」って言ってたし、消したんですよね。
関口:本当にテキト―なんですよ!
本田:お恥ずかしながら、いつも書いては消し、書いては消しなんだよね。昨日も、この間の放送を「今日YouTubeにアップする」って書いたのに、無理だったので「近日中」って書き直すくらいだから。
関口:先に宣言しなければリスクを背負わなくていいものを。
本田:でも、みんなそんな真剣に見ていないでしょ?
一同:(笑)。
関口:気付いて! あなたが適当でも、みんなは真剣なの! だから消してもこういうことが起こるわけだからね。
本田:わかった、わかった。すみません(笑)。
関口:ちゃんと確認してから発信しましょうね。
本田:はい。気をつけます。
関口:でも、それくらいゆるい方が人が集まることもあるけど。
D:Dです。あの(Cさんと)いっしょです。
永田:お友達ですか?
D:そうですね。3人とも友達です。音楽は好きですけど、先ほどおっしゃっていたAKBとかジャニーズ系は聴かないので、本田さんみたいにいろいろな音楽を発信してくれるサイトがあると楽しめますよね。私はオルタナティブロックが好きなんですね。でも日本の文化がアイドル志向になっちゃっているので楽しめないですよね。リスナーとしていろいろ聴かせていただけたら楽しいなと思っています。
永田:『MUSIC SHARE』はどこでお知りになられましたか?
D:Cさんが教えてくれて。本田さんの活動も教えてもらって。最初は分からなかったんですけど、今日うかがって、どういうことなのかよく分かりました。
池内:説明が足りていないよね(笑)。
E:Eと申します。初めましてこんにちは。(C,Dと)まったく同じですので、次の方へ(笑)。
永田:Eさんは、どんな音楽聴きますか?
E:私は、ラテンも、アメリカの音楽も、いろいろなものを聴きます。
永田:今の『MUSIC SHARE』に足りていないものってありますか?
D:どうなんですかねえ。ラテンは、なかなか日本人は馴染めないみたいで、でも聴いてみると幅広くて面白くて、その中でも歴史があって楽しいので、一度ぜひ――。
本田:はい。やってみます。番組にアルゼンチンタンゴのバンドネオン奏者の人が来ますから、そこ、ぜひ。バンドネオンの人、すっごい、カッコいいんですよ。
D:素敵ですね。取り上げてください。
永田・本田:ありがとうございます。
F:Fと申します。永田さんと仕事の関係で知り合いだったところ、今日こういった催しがあるということで調べたら、本田さんとたぶん(自分の)問題意識がすごく近いと思って参加させていただいています。
僕のバックグラウンドは、レコード会社でして。去年辞めたんですけど、足掛け15年、制作にいました。音源をコピーすることが当たり前になって、CDもダウンロードの売り上げも落ち込んで、エンドプロダクトを売るだけだとレコーディングの資金が集まらない。レコード会社がCDをつくれない。アルバムをつくれない時代になって、もうこれをやっても意味がないなと思って、辞めて。じゃあ、どうやったらアーティストが新しいアルバムをつくれるのかってなったときに、寄付だと。僕、ひとつの解決策だと思って、クラウドファンディングの会社を立ち上げたんです。
アメリカは、クラウドファンディングによって大御所にいたるまで制作費を稼いでいる。そういったアーティストとファンを直接つなぐようなプラットフォームがこれからは必要になってくると思っています。なかなかお金にはなりにくい部分もあるし、いろいろ試行錯誤していますけど。
永田:『MUSIC SHARE』は、クラウドファンディングを考えたことはありますか?
本田:あります。
永田:まだ行動を起こしてはいないですよね?
本田:はい。1ヶ月に1回くらいは考えます。もうそろそろお金を募ってみようか?って。「200万円ぐらいはほしいかなぁ」とか言いながら、いろいろなところをちょいちょい見ています。
永田:敢えてそこまで行っていない、ひきとめているのは何があるんでしょう?
本田:払った人によってリターンを用意しなければいけないじゃないですか。いくら以上だと何々とか、それを考えるのが面倒くさい。ただそれだけ(笑)。周りの人に「誰かやってくんないかな~」と言うと「スタジオ観に来られるとか、そんなんでいいじゃん」とか言うだけでみんな手伝ってくれないから、そこで止まっています。
関口:「誰かやってくんないかな」という伝統は変わっていないわけね。
一同:(笑)。
本田:「誰かやってくんないかな~」って、(関口さんが)いちばん言っているじゃん。
関口:俺、山ほどあるよ、人にやってもらいことなんてねえ。
永田:今日ちょっと帰りがけに話すといいかもしれないですね。
F:はい。
本田:そろそろ、やるか(笑)。よろしくお願いいたします。
G:はじめまして。Gといいます。私もネットで永田さんにお問い合わせさせていただいて、今日――。
永田:MCAの活動の基盤となる「なんでも相談室」という無料の相談窓口にご予約をいただきまして。ご予約はじつは来週ですけど、今日こんな催しがありますというお話をしたら、さっそく先にお越し下さいました。ありがとうございました。
G:私も昔は音楽をやっていたんですが、きっぱり止めちゃって。そこからは事業をやっていたんですけど、最近、久々に音楽をやってみたいという思いになって。売れないとか、辛い思い出がいっぱいあるので、今音楽を志す人がつづけられる世の中になったらいいなと考え、そういう人たちを支援するビジネスを立ち上げたいと思っています。ある学校と始めようとしています。
関口:具体的ですね。
G:はい。その学校で、音楽をやる人を育成したいというニーズがあったので。そこへ私通っていたことがあったものですから、じゃあやろうかと。ただ、今まで遠ざかっていたので、これから少しづつ勉強させていただければと。でも12月くらいには開校に結び付けたいなと思っています。こじんまりと(笑)。
本田:ちなみに、音楽は楽器ですか?
G:そうです。ジャズでサックスをやっていたんです。
関口:いいなー!
本田:いいねえ。『MUSIC SHARE』はサックスの人が多いんですよ。、『マルサの女』の作曲者でサックスプレイヤーの本多俊之さんとか、スカパラの谷中敦さんといっしょに元i-depの藤枝くんがいっしょにやっているユニットとか、他にもいたなあ。
池内:サックスカルテットも。
本田:出たしね。なぜかサックスが好きなんですよ。
永田:何か原体験があるんですか?
本田:いや、ないですけど、たぶん声に近いからだと勝手に思っています。歌っぽいというか、耳に入りやすいんでしょうね。
永田:たとえば、Fさんがご覧になって、『MUSIC SHARE』のどんなところが面白くて、どんな可能性があると思われますか?
F:えーと、いろいろなことが頭をよぎったんですけど、まずいちばん最初に思ったのは大変だろうなと。
一同:(笑)。
F:スタッフをどうやってまわしていらっしゃるんだろうなと。しかも拠点も準備中の所も含めて日本中に展開されているので、すごいなと。
本田:ホントに大変ですよ。けど、みんなが頑張ってくれているので(笑)。
F:専業じゃないですよね?
本田:はい。皆さんそれぞれプロでやっていらっしゃる方、フリーの方が多いので、それで集まってくれている。
F:僕、辞めて会社までつくっちゃって、専業になっちゃったんでどうしようかなと思ってて。ふつう個人事業主から始めるんでしょうけど、形から入りたかったんで(笑)。
一同:(笑)。
本田:準備とか〝大変〟としかいいようがないほど大変ですね。最近はスムーズにいくようになりましたけど。打ちこみ系で生楽器が少し入る程度だと思っていたら、フルバンドで来たりとか。ええー!?みたいな(笑)。しかも撮影場所はレコーディングスタジオではなかったので小さい卓しかなくて、それを2台並べて。どう考えてもチャンネル足んないぞっていうときに「もうちょっと、ちゃんと考えてくださいよ」ってPAに言われて「ごめんなさい、ちょっと楽器減らしてもらいます!」って連絡したり。〝フルバンドいいなー、でも、できないのか〟とちょっと切なくなるんですけど、そういうやり取りするのがけっこう――あの、PAさんは魔法使いのように思いがちですが、そうではなくて……というか――。
関口:なんの話だ?(笑)
F:将来的にはこれ一本で、っていう目標はお持ちなんですか?
本田:あんまりないですね。そうしちゃうとどこかで妥協する色が出てくると思うので、〝のんびりやりたい〟というのはあります。生き方の問題になってくると思うんですけど、つねに何かひとつに絞らないっていう――。
池内:むしろここから派生してゆくもので、人を幸せにすることができたらいいかなと思います。
本田:配信の仕事を下さいって感じですね。そっちの方でビジネスにという気持ちはちょっとだけあります。
G:そうすると、配信のお仕事で儲かるようにして、自分の好きな番組は儲からなくていいという、そんなバランスでやられるんですね?
本田:そうですね。でもたぶん、そうもうまくいかないような気がするんですよね(笑)。
永田:それ、ミュージシャンもいっしょですよね。例えば、あえて名前を出しませんけど、あるサックス吹きの人がね、普段やっているのは、お客さんふたりとかの、とんでもないフリージャズなんです。本当にやりたい音楽はそれなんですね。でもサポートミュージシャンとして、仕事で、あるロックバンドに行って吹くときは20万とか――、そういうバランスですよね。生活はそっちで確保する。